「自分でビジネスを始めれば、自然と経営者の感覚が身につく」
もしそう思っているとしたら、それは少し危険な勘違いかもしれません。
僕も以前は、会社を辞めて独立しさえすれば、自然と「社長らしい考え方」にアップデートされるものだと思っていました。でも、先生のそばで本物のビジネスの現場を見ていると、現実は全く逆だということに気づかされました。
役職や立場が人を作るのではなく、その人が持っている「感覚」が、その人の立場を現実のものにしていく。
先日、事務所に訪れたある大手損保会社の担当者とのやり取りを通じて、納得した「経営者感覚の正体」についてシェアさせてください。
利益をぶら下げてやってくる人たちの勘違い
先日、事務所にある大手損害保険会社の支社長代理の方が、商品の説明に来られました。
先生の事務所には、先生が長年築き上げてきた膨大な数のクライアントさんがいらっしゃいます。その実績を知って、「ぜひ提携したい」と群がってくる方は、実は後を絶ちません。
でも、先生とのお話を見ていると、多くの人が決定的な「考え違い」をしていることに気づきます。
先生はよく仰います。
「フィフティー・フィフティー(対等)な関係は大歓迎。でも、自分の風下に立たせようとする人はお断りだ」と。
提携の話を持ってくる人の多くは、こう言います。
「これを提供すれば、お宅の事務所も儲かりますよ」
一見、良い話に聞こえますよね。
でも、その裏側には
「自分の利益のために、相手を動かそう」という透けて見える下心があるんです。
それは対等なパートナーシップではなく、相手を自分の支配下に置こうとする「雇われ感覚」の発想。先生は、その違和感を一瞬で見抜いてしまいます。

「対価」を先に求めるのは、雇われの思考
では、先生が仰る「雇われ感覚」と「経営者感覚」の違いとは、具体的に何なのでしょうか。
まず、雇われ(従業員)の感覚。
それは、「自分がしたことに対して、まず対価を求める」という思考回路です。
- 残業をしたから、残業代をもらうのは当たり前。
- 出張に行ったから、出張手当が出るのは当然。
- これだけ働いたんだから、これだけの給料をくれ。
もちろん、労働者としての権利ですから、間違っているわけではありません。でも、この「まず自分がもらうこと」を最優先にする癖がついていると、商売の世界では途端に通用しなくなります。
なぜなら、商売の世界には「ここまでやったから、これだけ保証してくれ」というルールが存在しないからです。
「どう返すか」から始まるのが、経営者の思考
一方で、本物の「経営者感覚」を持っている人は、全く逆の順番で考えます。
経営者は、**「人にしてもらったことに対して、どう返すか(価値を提供するか)」**を何よりも優先します。
「この人と組んだら、どうやって相手にメリットを感じてもらえるだろうか?」
「相手が差し出してくれたチャンスに対して、自分はどう報いることができるだろうか?」
そして、ただ返すだけではありません。
「相手に最大限の価値を返しながら、同時に、自分の利益もしっかりと確保する」
この両立を、当たり前のように考え抜くのが経営者の脳内なんです。
これは、雇われの身であっても同じことが言えます。
「会社から給料をもらっている分、それ以上の利益をどうやって会社に提供するか」
そう考えて動ける人は、たとえ組織の中にいても、すでに「経営者感覚」を持っていると言えます。
経営者になったら変わるのではない、感覚があるから成功する
先生から学んだ最も重要なポイントはこれです。
「経営者という立場になったから、経営者感覚が身につくのではない。経営者の感覚を先に持っている人が、商売をして上手くいくようになるだけだ」
順番が逆なんです。
「いつか独立したら考えよう」では遅すぎます。 今の場所で、今持っているリソースを使って、どれだけ「相手に返すこと」を優先できるか。
どれだけ高いスキルを持っていても、この感覚が欠落している人は、いつまでも「自分の利益を運んできてくれる誰か」を探し続けることになります。それでは一生、他人の風下から抜け出すことはできません。

副業でもいい。「経営の疑似体験」があなたを救う
もし、今の自分に「経営者感覚」が足りないと感じるなら、どうすればいいのか。
先生は、二つの近道を教えてくれました。
一つ目は、小さくてもいいから**「自分で経営を経験すること」**。
副業でも、メルカリで物を売ることからでもいい。
「1円を稼ぐために、どれだけの価値を相手に提供し、どう責任を取るか」を肌で感じる経験は、何物にも代えがたい財産になります。
二つ目は、「経営者と学ぶ姿勢で時間を共有すること」。
本物の経営者が、何を大切にし、どんな視点で人を見ているのか。 その「空気感」を浴び続けることが、最短でマインドを書き換える方法です。
僕も、先生というメンターから学んでいるのは、その「感覚」を自分の中に叩き込むためでもあります。
まとめ:明日から実践!「返す」から始める一日の設計
実践ベースでどのように明日から行動できるかを少しまとめてみます。
- 「相手に何ができるか」から会話を始める
誰かと会うとき、打ち合わせをするとき。「この人から何を得られるか」ではなく、「自分はこの人にどんなメリットを返せるか」を最初に提案してみる。 - 自分の仕事の「対価」を再定義する
給料や報酬を「作業の代金」と思うのをやめる。「自分が会社やクライアントに提供した利益の一部を、分配してもらっている」という感覚で受け取ってみる。 - 小さく「自分だけの商売」を始めてみる
会社の名刺を使わず、自分の名前だけで1円を稼いでみる。そこで感じる「責任感」と「自由」こそが、経営者感覚の種になります。
自分ができる最高の「ギブ」を探して、一歩前へ進んでいきましょう!



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